株式会社ベルコン

ベルトコンベアを使用しているとコンベアベルトが破損したり切断したりすることがあります。一番良いのはすぐにベルトを交換することですが、在庫がないと入荷するまでラインが停まってしまうことにもなりかねません。

この記事ではコンベアベルトが破損、切断した際の補修方法について解説。さらにコンベアベルトにトラブルが発生する原因や、そもそも自分で補修すべきか否か?についてもプロの視点からご説明します。

コンベアベルトの補修方法

まずはコンベアベルトが破損したのか?切断したのか?によって、大きく補修の方法が異なることには注意しましょう。正しい方法で補修しないと、すぐにまたトラブルが発生してしまう、より大きな破損や切断につながるといったリスクもあります。

コンベアベルト破損時の補修方法

コンベアベルトに穴開きや縦切れなどの破損が発生した場合、主に「補修パッチ・補修テープ」か「液体ゴム」を用いて一時的な補修を行います。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

 

補修パッチ/補修テープによる補修

コンベアベルトに縦方向の亀裂が入る縦切れが発生した場合、エンドレス部のめくれや穴開きが発生した場合、補修パッチや補修テープによって補修が可能です。

コンベアベルトの損傷部の上に補修パッチ材を接着剤で貼り付けるか補修テープを貼り付けることで、コンベアベルトの破損を補修できます。特に補修テープであれば広い範囲に損傷ができていても対応可能です。応急処置用に常備しておいてもいいかもしれません。

 

液体ゴムによる補修

コンベアベルトの表面のゴムにひび割れや穴、凹みなどがある場合、液体ゴムによる補修も可能です。損傷部分に液体ゴムを塗布してしばらく放置しておけば硬化します。ナイロン製やアラミド製の補強布を使用すれば、強度も補うことが可能です。

傷や穴が比較的深くても、液体ゴムならそれを埋めることができます。ただし、こちらもあくまで応急処置です。液体ゴムで破損箇所を埋めたとしても、傷や穴が拡大してしまう可能性があります。

コンベアベルト切断時の補修方法

コンベアベルトが切断してしまう、あるいは横切れが発生してしまうというトラブルも起こり得ます。その場合は「シームレス接続」「レーシングによる接続」という主に2つの方法で応急処置を行います。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

シームレス接続

「シームレス」とは「継目がない」という意味です。シームレス接続による補修の方法としては、ベルトの端部を重ねて接着剤で接着させる「オーバーラップ・ジョイント」、両端を突き合わせて裏打材を接着させる「パット・ジョイント」、ベルトの長短を指状に打ち抜き両端面が噛み合った状態で熱を加えて溶接する「フィンガージョイント」などの方法があります

いずれの方法もベルトの表面に凹凸が極力出ないのが利点といえます。

 

レーシングによる接続

レーシングとは金属レーシングを用いたコンベアベルトの接続方法です。ベルトの両端面を直角に切り落とした後に、レーシングを取り付けます。その後、両端面のレーシングを噛み合わせた状態でピンを挿入することで、切断したコンベアベルトをつなげることが可能です。他にもクロス材のレーシングを用いた「クロスレーシング」、ベルトを縫い合わせてピンを通す「スパイラルレーシング」といった方法もあります。

レーシングは現場で施工しやすいというメリットがあります。

 

その他の接続方法

基本的に切断や横切れの場合は切れたベルトをつなぎ合わせる「エンドレス加工」を行わなければなりません。上記でご紹介した「シームレス接続」「レーシングによる接続」はすべてエンドレス加工というくくりになります。他にもさまざまな方法があり、耐久性や平面性といったベルトの性能もそれぞれ異なりますので、それも考慮して補修の仕方を選ぶことが大切です

上記も含めたエンドレス加工については以下でさらに詳しく、図解入りでご説明していますので、ぜひお読みください。

 

コンベアベルトトラブルの原因

以上でコンベアベルトの補修方法についてご紹介しましたが、そもそもなぜコンベアベルトに穴開きや縦切れなどの破損や横切れ・切断が生じるのでしょうか?それには以下の3つの原因が考えられます。

 

01|繰り返しの使用による消耗

コンベアベルトは帆布製の芯材の周りをゴムや金属が覆っているという構造になっています。非常に強度が高いのですが、やはり長期間ベルトコンベアを使用していると徐々に摩耗していき、やがて破損や切断が発生してしまいます

 

02|使用環境に適していない

コンベアベルトが使用環境に適していないというのも大きな要因となり得ます。特に強い衝撃が加わる、重量物を搬送するような過酷な環境下では、強度が高いベルトを使わないとすぐに破損や切断などのトラブルにつながります

 

03|環境影響による剥離

ベルトのゴムや金属が剥離してしまうのも破損や切断の原因です。たとえば高温な場所、直射日光があたるような場所ではゴムが変形しやすくなります。金属は湿度が高い場所では錆びやすいです。ベルトの劣化が進行すると、やがて破損や切断が起きてしまいます

コンベアベルトトラブルを防ぐためのベルト交換

コンベアベルトは消耗品です。定期的にメンテナンスを行い、古くなってきたら早めに交換されることをおすすめします。コンベアベルトの寿命はベルトの幅や長さ、種類、張力、稼働時間、搬送物によって変わるため明確に算出するのは難しいです。ただ、著しい摩耗や痛みが見られる場合は交換も検討してみましょう

自分でする応急処置の危険性

今回の記事ではコンベアベルトを補修する方法についてご紹介してきましたが、基本的に破損や切断が発生した場合はコンベアベルトが相当劣化している可能性が高いため、早めに交換しましょう。

ご自身で応急処置をされても、根本的にベルトの強度が低下しているのは変わりがありません。補修をしても再度トラブルが発生する可能性が高く、その都度調整が必要になるため、労力や時間が非常にかかります。頻繁にワークが停止するので生産性も低下します。

損傷や切断が補修しきれていなかった場合、さらなるトラブルや事故にも発展しかねません

まずはご相談ください

今回ご紹介した補修方法はあくまで応急処置とお考えください。交換ベルトの在庫がない、調達までに時間がかかる、どうしてもラインを動かさなければならないなど、やむを得ない場合を除き、ベルトを交換されることを強くおすすめします

株式会社ベルコンはベルトコンベアのトータールサポート会社です。コンベアベルトの手配はもちろん、最適なベルトのご提案やベルトコンベアの修理まで、幅広く対応いたします。ベルトコンベアのトラブルでお困りの方はぜひご相談ください。

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