株式会社ベルコン

ベルトコンベアは、工場や物流倉庫、砕石現場など、さまざまな場所で活躍している設備ですが、意外とその構造は知られていないものです。業務でベルトコンベアと少しでも関わる機会がある方は、基本的な構造だけでも知っておきたいところです。

この記事では、ベルトコンベアの構造を知りたい方向けに、基礎的な知識から分かりやすく解説しています。

そもそもベルトコンベアとは

ベルトコンベアとは、工場の作業ラインや荷物の運搬などに利用されている搬送設備の一種です。多くのベルトコンベアは、一本の長いベルトが回転することによって、ベルトの上に乗せられた荷物を運ぶというメカニズムになっています

工場や砕石現場にあるベルトコンベアはもちろん、私たちが日常生活の中で目にする空港で荷物を運ぶコンベアや、回転寿司のコンベアなどもベルトコンベアの一種です。コンベアと呼ばれる搬送設備は、ベルトコンベア以外にもチェーンコンベアやローラーコンベアなど多くの種類があります

ベルトコンベアの仕組み

一本の輪状ベルト(コンベアベルト)を回転させて、積載物を同一の方向へ移動させるというのがベルトコンベアの基本的な仕組みです。コンベアベルトを回転させているのは、モーターの力で駆動しているプーリーという部品です。

コンベアベルト表面はゴム製のため柔軟性があり、ベルトコンベアの中に複数配置されているプーリーに沿うように回転しています。ベルトはゴム製の他に、樹脂製やフェルト製のものもあり、搬送する荷物に合った材質のベルトが使用されています。

ベルトコンベアの構造

ベルトコンベアの構造はシンプルで、おもにフレーム、プーリー、コンベアベルトという3つの構造物によって構成されています。ベルトコンベアが荷物を搬送できるのは、これらが互いにスムーズに稼働することが必要で、要所には高い技術が活用されているのです。以下でベルトコンベアを構成するそれぞれの構造物の特徴を順に解説します。

フレーム

フレームとは、ベルトコンベアを形成している構造物の1つです。搬送する荷物とコンベアベルトを支える主要部分であり、緻密な設計にもとづき頑丈な造りになっています。フレームの材質は、耐久性が高く加工しやすい鋼材が主流です。

フレームには大きく分けてストリンガーフレームとトラスフレームの2種類があり、搬送する荷物の種類によって使い分けられています。2種類のフレームのそれぞれの特徴やメリットなどを見てみましょう。

ストリンガーフレーム

ストリンガーフレームとは、ベルトコンベアのフレームの一種で、鋼材の形鋼あるいは鋼板の曲げ板を利用して造られています。

ストリンガーフレームのメリットは、構造が簡単なためコンベア本体の費用を安価に抑えることができる点です。ベルトコンベアの中でも、樹脂コンベアベルトを使用した軽量搬送のコンベアには、ほとんどがこのストリンガーフレームを使用しています。アルミのダイキャストフレームを材質として使用することが多いです。

ただし、強度という点では次に紹介するトラスフレームよりはどうしても劣るので、重量物の搬送にはあまり向いていません。  

トラスフレーム

トラスフレームとはベルトコンベアのフレームのうち、鋼材の形鋼等でトラス(三角形を構成する骨組)を形成して造られているものです。非常に高い強度を持つため、重量物の運搬や負荷のかかりやすい箇所があるコンベアに向いています

例えば、高架上に設置されたコンベア・脚設置の間隔が広いコンベア・メンテナンス用の歩廊が必要なコンベア等に使用されます。また、構造上やむを得ず片持ちになるコンベアも、このトラスフレーム構造になっていることが多いです。

一般的には大量搬送のゴムベルトコンベアにトラスフレームが使用されますが、チェーンコンベアのエプロンコンベア等にも使用されます。

強度が高いのがトラスフレームの利点ですが、その分ストリンガーフレームと比較すると費用が高額になってしまうのが難点です。 

プーリー

プーリーは、回転してコンベアベルトを進ませる部品で、ベルトコンベアの主要部分に多く使用されています。

プーリーの中でも最も重要なものがドライブプーリーで、モーターによって回転してベルトコンベアを駆動させています。その他、ベルトコンベアの末端部分に配置されるテールプーリーや、ベルトの方向を変えるベンドプーリー、ベルトの張力を生み出すテンションプーリーなど、さまざまな種類があります。

プーリーは、どれか1つが故障して作動しなくなっただけでもコンベアの停止につながるため、日々のメンテナンスが重要です。 
詳しくは「ベルトコンベアのプーリーとは?構造・種類・機能から点検方法まで」をご覧ください。

コンベアベルト

コンベアベルトはベルトコンベアの構造物のうち、荷物を搬送する部分に位置しています。プーリーの駆動によってコンベアベルトが荷物を移動させ、荷物の搬送を終えたベルトはプーリーの下部を通って元の場所に戻る仕組みです。

コンベアベルトには多くの種類があり、中寄コンベアベルト・スライダーベルト・バケットコンベアベルト・平ベルト・段付ベルトなどが使用されています。また、表面に凹凸を付けたラフトップベルトは、傾斜搬送用に最適です。

ベルトコンベアの特徴

ベルトコンベアは非常に使い勝手が良く、工場などのさまざまな作業場所で活躍していますが、その反面、いくつかのデメリットもあります。

ベルトコンベアの特徴をよく理解することによって、その能力を十分に発揮させられるのはもちろん、故障を防いで長期間安定して稼働させることができるのです

ここではベルトコンベアのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

メリット

ベルトコンベアのメリットとして、おもに次の4つが挙げられます。

  • 搬送面が連続している
  • 仕組みが簡単である
  • 耐久性に優れている
  • さまざまな環境に適する

ベルトコンベアは搬送面が連続しているため、安定した搬送が可能です。仕組みがシンプルなので、メンテナンス性に優れているほか、他の搬送装置と比較して設置する際の費用も抑えられます

荷物と接するベルトは摩耗しにくいため、耐久性にも優れており、洗浄もしやすいのでさまざまな環境で使用できるのもメリットです

デメリット

ベルトコンベアのデメリットは、おもに次の4つがあります。

  • テンションの調整が必要
  • 荷物が蛇行することがある
  • ベルトの部分交換ができない
  • 急加速・急停止が不得手である

ベルトコンベアは、長期間使用しているとベルトが伸びてしまうので、定期的にテンション調整が必要です。また、プーリーの調整を怠ると荷物が蛇行する原因になります

コンベアベルトは一体物のため、一部分だけが損傷しても全体を交換しなければならず、その手間や費用がかかります

ベルトコンベアの故障の原因

ベルトコンベアの故障で最も多いのが、コンベアベルトの蛇行です。構造が簡単とはいえ、プーリーとコンベアベルトが触れる箇所は緻密な調整が必要で、わずかでも歪みがあるとプーリーの中心からベルトがずれてしまいます。コンベアベルトがプーリーの中心からずれると、ベルトがスムーズに回転しなくなり、蛇行してしまうのです。

蛇行を予防するには、日常的にプーリーの調整を行うことが効果的です。特にドライブプーリーの点検は欠かさないようにしましょう。

ベルトコンベアのその他の故障としては、急加速・急停止によるコンベアベルトの損傷などがあります。強い負荷のかかる動作は避けるようにしましょう。

まとめ

ベルトコンベアは荷物を安定して搬送することができ、工場や倉庫、砕石現場などの作業には欠かせない設備です。構造が簡単でメンテナンスがしやすいなど多くのメリットがありますが、それゆえにメンテナンスが軽視されやすい傾向もあります。

特にコンベアベルトの蛇行が発生すると、経験の浅い作業員が修理することは難しく、意外に厄介な事態になりかねません。簡単なメンテナンスを怠ったために業務が滞ってしまい、ラインの停止や損失を招くことにもつながりかねません

ベルトコンベアの特性を十分に活かすためには、構造をよく理解し、丁寧なメンテナンスを欠かさないようにして故障の防止に努めましょう。

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