株式会社ベルコン

ベルトコンベアにトラブルが発生すればラインの停止や火災、事故などの重大な事態につながりかねません。それらを防ぐためには定期的にテークアップすることが大切です。

今回はベルトコンベアのテークアップの方法や肝となるベルトの適正な張り具合、テークアップも含めた点検・メンテナンスの適切な周期について解説します。

ベルトコンベアのテークアップとは

テークアップとはコンベアベルトの張力が適切なものになるよう調節することです。コンベアベルトがゆるんで張力が低くなると、スリップや蛇行などのトラブルが置きやすくなります。さらにスリップが発生すると機械の故障や火災、事故などの重大なトラブルにも発展しかねません。逆に張力が高すぎるとやはり蛇行やコンベアベルト、ベルトコンベアの破損につながります。

コンベアベルトはゆるみすぎても張りすぎてもダメ。適度な張力を維持する必要があります

テークアップユニット(緊張装置)

ベルトコンベアのテークアップは通常テークアップユニット(緊張装置)を用いて行います。ベルトコンベアに内蔵され、これによってコンベアベルトがゆるみにくくなり、常に適切な張力が保たれるようになります。また、テークアップユニットが内蔵されていることで、コンベアベルトの張り具合が調整できる、コンベアベルトの取替や修理がしやすくなるなどのメリットも得られます。

代表的なテークアップ方式

テークアップの方式には大きく分けて「ねじ式テークアップ」「ばね式テークアップ」「カウンターウェイト式テークアップ」という3種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。

ねじ式テークアップ

ねじ式テークアップその名の通り、ねじを使ってコンベアベルトを巻き上げる方式です。装置がコンパクトであることと、左右均等に調整できることがメリットとして挙げられます。一方で、人の手で調整しなければならないのが難点といえます。

使用環境がそれほどハードでなければ問題はないのですが、温度が高い場所で使用する、高温物や重量物を搬送するといった厳しい環境だとコンベアベルトがゆるみやすくなるので、頻繁に張り具合を調整しなければなりません

ばね式テークアップ

ばね式テークアップねじの代わりに皿ばねを使ってコンベアベルトの張りを調整する方式です。皿ばねがベルトの伸び縮みを吸収してくれるので、手動で調整する手間がかからず、厳しい環境下においても常に適正な張力を維持してくれます

カウンターウェイト式テークアップ

カウンターウェイト式テークアップ重りによってコンベアベルトの張力を維持します。重りをプーリーにかけることで、その重さでベルトが引っ張られるという仕組みです。

やはり自動的に張力が維持できるのがメリットといえます。特にコンベアベルトの機長が長い場合に、この方式が使われることが多いです。ただし、他の方式よりもコンベアベルトが伸びたときに蛇行が発生しやすいという難点があります。

ベルトの適正な張り具合

前述のとおり、コンベアベルトはゆるみすぎていても、張りすぎていてもダメ。適度に調整する必要があるのですが、感覚や勘に頼るところも多いため、なかなか難しいです。ただし、大まかな目安があります。

適正な張り具合はベルトの長さによって異なり、たとえば200mmの場合は0.2%くらい、250~600mmなら0.15~0.1%程度、600~1000mm幅であれば0.1%程度が目安です。

ベルトの張り具合
長さ 〜200 250〜600 600〜1000
張り具合(%) 0.2 0.15〜0.1 0.1

どれくらいの頻度で点検したらいいのか?

テークアップユニットがあれば自動で張りを調整してくれますが、それでも定期的に点検・調節を行うことが大切です。1日8時間稼働したとした場合、稼働開始から1週間以内は毎日1回必ず点検を行います。稼働1週間経過後1ヶ月以内は週2回程度、1ヶ月経過後は月2回というように、徐々に感覚を空けていっても問題ありません。

いずれにせよ、トラブルを未然に防ぐのであれば定期的な張り具合の点検と調整が必須です。

ベルトコンベアのことでお困りなら

ベルトコンベアではしばしばスリップなどのトラブルが発生します。トラブルを未然に防ぐためにはテークアップも含め日常的なメンテンスが必須。さらに、コンベアベルトの選定なども重要になってきます。

ベルトコンベアのことでお困りなら、株式会社ベルコンにご相談ください。私たちはベルトコンベアのトータルサポート会社として、ベルトコンベアのご提案から設置、メンテナンス、コンベアベルトの加硫・取替・保守管理事業など、ありとあらゆるニーズにお応えします

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