株式会社ベルコン

ベルトコンベアのベルトにはさまざまな種類のものがあります。大きな違いは素材です。それぞれ特徴があり、用途に合ったものを選ぶ必要があります

この記事ではコンベアベルトの種類と特性、選ぶポイントについてご紹介します。ぜひ、今回の記事を参考に、自社に合ったものを選んでみましょう。

コンベアベルトの種類

コンベアベルトには大きく分けて「金属ベルト」「樹脂ベルト」「ゴムベルト」の3種類があります。また、その中にもさらに「スチールベルト」「フッ素樹脂ベルト」というように細分化されます。

使用環境や搬送物に合ったコンベアベルトを選ぶためには、素材別の特徴を把握しておくことが重要です。種類別に詳しく見ていきましょう。

金属ベルト

金属製のコンベアベルトは耐久性が高い、洗浄しやすく衛生状態が保ちやすい、耐熱性がある、摩耗しにくい、電気を通しやすいといった性質があり、食品工場や半導体、電子部品の製造ラインなどで使われています。また、高温になる製品の搬送にも使われます。

一方で金属はサビ(腐食)が発生しやすい、ゴムのように靭性がないため力がかかりすぎると破断してしまうといったデメリットもあるため注意が必要です


樹脂ベルト

ポリエステル繊維をポリウレタンなどの樹脂でコーディングした樹脂(プラスチック)ベルトは加工がしやすい、薄くて軽量なため省エネルギーにつながる、臭いがしない、洗浄がしやすいなどの理由で、やはり食品製造ラインや電子部品の製造ライン、クリーンルーム内、その他幅広い分野で活用されています。

一方で耐熱性や耐久性がどうしても他の素材と比較すると低いため、高温下での使用や重量物の搬送には不向きといえます

ゴムベルト

コンベアベルトというと黒いゴム製のものを思い浮かべるかもしれません。樹脂ベルトと比較すると厚みがあって頑丈なのがメリットです。また、靭性に優れているため、破断することも少ないです。

一方でゴム特有の臭いがあるのと洗いにくいという難点があるため、食品製造やクリーンルームなど衛生管理が必要な場所では不向きといえます


産業用ベルトの素材

産業分野ではゴムベルトが主流となっています。特にプラントや砕石現場の土砂・砕石の運搬用のベルトコンベアはゴムベルトがほとんどです。他にも金属製品や重量物の搬送にもよく使われます

一般的に産業用ベルトは帆布を芯材としてその周りにゴムで覆うタイプがほとんどです。常温の砂や砂利、石灰石、鉄鉱石、石炭の搬送には天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)を主ポリマーとする耐摩耗性のカバーゴムが用いられます。また、搬送物が高温(110°~180°)になる場合は、エチレンプロピレンゴム(EPR)が用いられます。


スチールベルト

金属ベルトの中でもスチール(鋼鉄)でできたコンベアベルトのことを指します。鉄よりも強度が高く、耐腐食性が高いのが特徴です。製品によってはステンレスと同等の耐腐食性を有していてサビの心配がほとんどありません。

帆布の代わりにスチールを芯材にしたゴムベルトもあります。この場合は表面がゴムとなるため、上記のゴムベルトと同じような性質となります。

工業用ベルトの素材

工場などで使われる工業用には樹脂ベルトや金属ベルトが使われることが多いです。特に前述のとおり食品工場の場合は衛生状態を維持しなければならず、臭いの付着にも気を遣わなければならないため、ゴムベルトではなく洗浄できる樹脂・金属ベルトのほうが向いています。半導体、電子機器部品に関しても衛生面での配慮が必要なことと、静電気が帯びない環境を整えるために、通電性が高い金属ベルトが用いられます


樹脂ベルト

樹脂ベルトに関してもゴムベルトと同様に帆布を芯材として、それを樹脂素材で覆うのが基本的な構造です。

樹脂には耐水性能や抗菌、防カビ、耐熱、耐油、低騒音など、さまざまな機能を付加させることができます。また、すべりにくい、粘着しにくい、といった性質もあるため、特に食品製造ラインと相性がいい素材といえます。

フッ素樹脂ベルト

最近普及してきている製品としてフッ素樹脂ベルトというものもあります。フッ素樹脂とはフッ素を含む合成樹脂のことです。いわゆるフライパンのテフロン加工もフッ素樹脂をコーティングしたものになります。耐熱性や非粘着性、耐薬品性、滑り性、絶縁性などの機械的性質が高く、食品や繊維、プラスチックやセラミック製品の運搬など、さまざまな分野で活用されています

金属ベルト

特に金属ベルトの特徴として電導性が高いことが挙げられます。ベルトコンベアは搬送物とベルト、あるいはベルトと駆動ローラーが接触する際などに静電気が発しやすくなります。半導体や電子部品は静電気が発生すると不具合や故障につながるおそれがあるため、金属ベルトが用いられることが多いです

用途に合ったベルト(素材)選び

コンベアベルト選びで重要なのは「何に使うか?」ということと「何を搬送するか?」ということです。前述のとおり屋外の砕石場などで重い土砂や砕石を搬送するのであれば、頑丈なゴムベルトがおすすめです。

衛生管理が厳しく求められる食品工場であれば丸洗いできて臭いも付着する心配がない樹脂ベルトあるいは金属ベルトが適しています。電子機器の組立工場であれば電導性が高い金属ベルトがいいということになります。

あとは搬送物の重量や使用頻度、その他求められる仕様や機械的性質によって製品を選んでいきます


ベルトコンベアのことでお困りなら

とはいえ、コンベアベルトの選定は簡単ではありません。上記のように材質別の特性を把握しておく必要があります。その他にもさまざまな条件を考慮して選ばなければなりません。

コンベアベルトの選定でお困りなら、株式会社ベルコンにご相談ください。お客様から細かくヒアリングをさせていただき、最適なコンベアベルトをご提案します。また、ベルトコンベアのメンテナンスなども対応可能です。弊社はベルトコンベアのトータルサポート会社です。お困り事がございましたら、お気軽にご連絡ください。

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